遺言には、遺言者の思いがたくさん書かれることと思います。
しかし、内容によっては、遺言を実現させる強制力を持たない場面もあります。
「遺された子供たちは一生仲良く付き合うように。」とか、
「長男の○○は、△△大学に合格するように。」といった内容です。
それでは、遺言に書かれる内容として、法律的に強制力を持つものには、
どんなものがあるでしょうか。
@ 財産処分に関する内容
A 相続人の廃除または廃除の取り消しに関する内容
B 認知に関する内容
C 後見人および後見監督人の指定に関する内容
D 相続分の指定または指定の委託に関する内容
E 遺産分割方法の指定または指定の委託に関する内容
F 遺産分割の禁止に関する内容
G 相続人相互の担保責任の指定に関する内容
H 遺言執行者の指定または指定の委託に関する内容
I 遺留分減殺方法の指定に関する内容
の10項目となっております。
以下に説明します。
@ 「財産処分に関する内容」
法定相続人(配偶者、子供、父母、兄弟姉妹等)以外の者、例えば、死の直前
まで、病気の介護をしてくれた女性に対して、財産をすべて渡すといった内容
でもOKです。
ただし、この場合、兄弟姉妹以外の法定相続人には、最低限の相続の権利が
保障されている(これを遺留分と言います)ため、
介護をしてくれた女性に贈った全財産のうち、いくらかは、法定相続人のところに
行くことになります。
A 「相続人の廃除または廃除の取り消しに関する内容」
生前に虐待を受けたとか、侮辱を受けたという理由で、
配偶者、子供、父母に一切遺産を渡さないということができます。(これを”廃除”
と言います)(兄弟姉妹を廃除することはできません)
廃除をする、または廃除をやめるという内容を遺言書に書くことができます。
B 「認知に関する内容」
生前は何らかの理由で認知できなかった場合でも、遺言で認知することが可能です。
C 「後見人および後見監督人の指定に関する内容」
配偶者がすでに亡くなっていて、未成年の子供がいる場合、その子供のことを
任せる信頼できる人(この人を後見人と言います)を指定することができます。
D 「相続分の指定または指定の委託に関する内容」
民法には法定相続分が規定されていますが、遺留分(最低限度の相続の権利)
を犯さない限りで、
相続分を指定(例えば、○○さんを増やし、△△さんを減らすということ)すること
ができます。
また、相続分の指定を任せる第3者を決めることもできます。
E 「遺産分割方法の指定または指定の委託に関する内容」
遺産の分割方法を指定することができます。また、遺産の分割方法を任せる
第3者を決めることもできます。
F 「遺産分割の禁止に関する内容」
5年以内の期間を決めて、遺産分割を禁止することができます。
G 「相続人相互の担保責任の指定に関する内容」
それぞれの相続人は、相続分の割合に応じて、公平な分配を行う責任を負って
います。
その責任を、遺言によって変えることができます。
H 「遺言執行者の指定または指定の委託に関する内容」
遺言を、確実に執行する権限を与える人物を指定することができます。
また、第3者に委託することができます。
I 「遺留分減殺方法の指定に関する内容」
遺留分(最低限度の相続の権利)を犯されることになる者は、過分な贈与や
遺贈を受けた者に対して
その返還を申し出ることができますが、その返還について、どのように行うかを
遺言で決めておくことができます。 |